新シリーズ「初戀旅少女」2冊同時発売しました。
正直まだ試行錯誤の段階ですが、モデル経験など皆無な、普通の女子中学生の旅写真です。刹那と憧憬。テーマはその二つ。少女の持つ一瞬の魅力を真面目に切り取ってみた写真集です。被写体の中には3年間に渡って撮影した子もいますので、成長の記録にもなっています。ほんの少し目を離しただけで大人になっていく彼女たちの魅力を、何とか閉じ込めたいと苦労しました。
自分が中学生の時って、同級生の女の子の魅力には気づけませんでした。それはぼく自身が子供だった証拠なのですが、当時の同級生たちは恋愛対象でもましてや憧憬の対象ではなく、単に畏怖のシンボルだったような気がします。簡単にいえばよく分からない存在だったのです。中学時代のぼくが年上好みだったというか、周囲にいたのが一つ二つ、あるいはもっと年長の女子ばかりだったのも影響しているのかもしれません。そういう理解できない存在の謎を、解いてみたいという気持ちがどこかにあるのも事実です。
また、ぼくが写真を始めるずっとずっと前、一つのポスターに目を奪われたのもモチベーションです。アラーキーこと荒木経惟氏が撮った青春18きっぷの広告でした。あの一連のシリーズ広告はのちに「旅少女」という一冊の書籍にまとめられました。写真を撮っているにも関わらず、目標とする写真家がいないぼくですが、あの「旅少女」だけはずっと胸に残っていて、写真を始めてからはバイブルのような存在になっています。
「初戀旅少女」は「旅少女」の足元にも及ばないポートレイトですが、それでもリスペクトとオマージュが含まれているのは事実です。パクりじゃねぇぞ、おまんじゅうだ、おまんじゅう!オマージュでしょ?(グループ魂より)
そんな感じで新シリーズをこれからしばらく展開したいと思いますので、よろしくお願いします。