イギリスのタイムズ紙によれば「オーディオブックの売上予測は電子書籍を追い越し、収益は30%増加」とのこと。
オーディオブックとは、書籍を朗読したもので、有名俳優や声優らがナレーションを担当している。要するに本を目で読むのではなく、耳で聞くスタイルの読書方法ということだ。(実はアマゾンにもAudibleという、オーディオブックサービスが存在する)
英タイムズによると、イギリス人の26%しかKindleなどの電子書籍リーダーを所有しておらず、それは2015年度の31%から減少しているとしている。
ただこれには電子書籍リーダーアプリをインストールしたスマートフォンやタブレットは含まれていないと思われる。
オーディオブックにもメリットデメリットはあるだろうが、電子書籍がオーディオブックに押されて、このまま衰退していくとは考えにくい。なぜなら電子書籍を牽引しているコンテンツはマンガだ。マンガを朗読されても意味はない。
また普通の文学作品などなら問題ないだろうが、マンガに次ぐコンテンツであるライトノベルになると、一人のナレーター対応ではユーザーはまったく反応しないであろう(アニメ化された場合は、主人公やヒロインを人気声優が担当する)複数の人間が朗読を担当すれば、もうそれはドラマCDと呼ばれるジャンルだ。
そもそも、電子書籍とオーディオブックの対立構図は考えにくい。将来的にはオーディオブック機能を備えた電子書籍が登場することは、容易に想像できる。文章も読めるし、朗読も聞ける、ハイブリッドブックスの出現だ。
オーディオブックを脅威に感じるとすれば、それは電子書籍ではなく紙の本だろう。