出版物紹介

GR biyori / OSAKA candid 7 My average day

前作のあとがきに、OSAKA candidは来春の2018年度版まで出さないと書きました。
理由は2011年度版で「出し切った」感があったのと、さすがに読者も食傷気味だろうと思ったからです。
2011年版を出版してから、たったの2ヶ月ちょっと。
座右の銘は「男に二言は時と場合によってはある」の僕ですので、シレっと新作を出します。
出ちゃったんだもの、ゴメンなさい。

ただひたすら、怠惰に生きた2010年。
平成22年、平成がもう22年目という驚き。
小渕さんが「平成」って元号を出したとき、僕はまだ学生服を着ていました。
あれから22年。
情熱と青春という、暑苦しい二文字が似合う、夢に向かったがむしゃらな季節はとっくに終わり、待っていたのは、ただ漫然と「生きる」だけの毎日でした。
ジジィになる前に死んでやるとか、30歳以上を信じるな!とか言ってたのに、すっかり30代も後半、不惑も目前のオッサン具合。
不惑というか、ファック?

純白のメルセデス、プール付きのマンション、最高の女とベッドでドン・ペリニヨンの予定だったのに、辿り着いたのは、薄給サラリーマン。
何とか外車には乗れているけれど、中古のマンションと、新今宮駅の立ち食いうどん。
欲しいモノはすべてブラウン管の中!って、もうブラウン管もなくなっちまったYO!!

そんなオッサンが大阪の街で生きながら見たモノ。
暮らし同様、何も考えずに、ただ撮った写真。
そしてご存知、ぼやきの数々。
OSAKA candidシリーズも、まさかの7冊目になりました。
はっきり言って、写真も文章も、これまでと同じです。
何のドラマもありゃしない!
でもね、あなたの暮らしだって、そんなにドラマティックでもないでしょう?
生きていくって、たぶん、そんなもんなんですよ。

辛いことも、恥ずかしいことも、何も隠さない、等身大の毎日の記録。
本当は嬉しいこと、楽しいことも隠したくないのに、隠れちゃってる。
おーい、幸せはどこだい!?
そう、まさしくこれは「My average day」の連続です。
だいたい同じ毎日、そいで、まあまあそれなりOK。
いやOKじゃないよ!

そんな第7弾、よろしければ、お付き合いください。
購入より、アンリミテッドでレンタルしてください。
そっちの方が、儲かる仕組みです(笑)

OSAKA candid 7発売しました。
当分出さないと言っておきながら、出さずにはいられなかった業の深さ。いや、そんな大袈裟なことでもないですが。

OSAKA candidを休んでいる間に、いくつか新シリーズを模索していました。結果的に見たら、全部いっしょやん!?なんて声も聞こえてきそうですが、僕的には試行錯誤を繰り返してるんですよ。ええ、これでも。

その中で気づいたのですが、僕が本当に出したい写真集というのは、写真を借りた心情吐露なのです。やっぱりそれが一番作りたい。包み隠さず、ぶちまけてやりたいという衝動めいたものが、根本にあるのです。己の陳腐な写真を表現と呼ぶのであれば、画像ではなく心情だと再認識した感じです。

だとすれば、OSAKA candidよりも、All things must pass.シリーズの方が、僕の作りたいものに近いような気がします。近いような気もするのですが、後者は「創作」が入っているのですよ。創作と真実がごっちゃになっているのが、僕が生み出すものですけれど、それはあくまでリアルがメインで、どこかぼかす必要がある場合のみ、創作を挿入する手法です。そういう意味では、All things must pass.シリーズは創作の割合が高いのです。

OSAKA candidは、圧倒的真実の中に、ほんの少しだけ、レトリック的な意味で創作が入っています。隠し味に塩少々、みたいなレベル。入ってない巻もあります。それに対してまだ2作、そして方向性も決まっていないAll things must pass.ですが、こちらは、そもそもの根本として「創作」あるいは「これは創作ですから」と逃げる退路が、前提になっているのです。

なので、作っていて楽しくない。楽しくないというと語弊があるのですが、構成などを考えないとダメなんですよ。それが大袈裟に言えば「産みの苦しみ」なんですけど、もっと気持ちよく作りたい!と思ったら、やっぱりOSAKA candidになってしまうのです。

もともと7で取り上げた2010年の記録は、6と同時収録あるいは、同時発売する構想でした。なので7の写真はもうチョイスしてある上に、テキストも3分の1くらいは書き上げていました。ただ作ってみたら6はまさかの600ページオーバー。さすがにさらに400ページ追加とかは不可能ですし、同時発売すると、互いに潰し合うような気がして、2011年度版のみ発売した次第です。つまり工程としては半分以上終わっているデータがあったので、我慢できずに7を出しちゃったってのが、正直なところなんですよね。

OSAKA candidは現状、2008年~2011年と、2014年~2017年の8年分7冊を出しています。2007年より前のデータもあるのですが、意識して日常的に写真を撮ってはいないのです。つまり、この体裁として出せるのは、2012年と2013年の二年分のみ。さらにこの時期、実は色んな意味で、写真が撮れない期間でした。仕事ではもがくように、精力的にポートレイトを撮っていますが、スナップとか個人的な写真は激減しています。なので、2年分をまとめて一冊にするしかない感じです。

あくまで現状ですが、2012年と13年で、本当に最後になってしまうOSAKA candidです。今、日常的に写真を選択して言葉も考えている2018年度版は、年明け早々に出しますが、それまでにこの二年分を出版しようと思います。出版して、もうOSAKA candidはないんだと自分に思い込ませない限り、新しいシリーズはモノにならないとも思いますし。

誰にも希望されていないのに出版するって、ほんと自画自賛の自慰行為ですけれど、一人でも多くの人につきあってもらえたらな嬉しいなぁと、思ったり思わなかったりしています。

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