出版物紹介

GR biyori / OSAKA candid 8&9 My average day

2012年。

民主党政権最後の年で、スカイツリーが竣工しました。金環日食があって、吉田沙保里さんへの国民栄誉賞なんてニュースの他にも、李明博が竹島に上がり込んだり、尖閣諸島の国有化や、北朝鮮のミサイルへの破壊措置命令などがあった、きな臭い一年だったと記憶しています。

もちろん、世界情勢は言うまでもなく、日本の事件とも一切無関係に、僕の怠惰な生活は続きました。

逃避しても逃避しても、現実からは逃げられず、ギャルゲーに救いを求めて、二次元に行きたいと本気で願った日々。

悩んだようで、実は悩んでもない思考回路が導き出したのは、神頼みなんかやらないで、自分が神になればよい!という、驚きの結論。

神様になるには、どうすればいいのか?資格が必要なのか?登録が必要なのか?

そんな馬鹿なことを本気で呟きながら、撮り続けた大阪の街。

大阪の街というより、僕の周囲数メートル。僕の目で見られるエリア。

それだけのスナップと、ぼやきがセットの写真集第8弾です。今回、単品でも見ても、カタルシスは皆無です。ぜひとも同時発売の「OSAKA candid 9」とセットでお楽しみください。

OSAKA candid シリーズ第9弾!

順不同で、2003年度版から続いたシリーズも、ついに完結!(?)

10年分の怠惰な暮らしの記録、ここに堂々の(今のところ)完成です!

いよいよ離婚カウントダウンも始まった2013年。

家に帰ってもただ重苦しい空気があるだけ。

無責任にも帰宅せず、ただただ街を歩き続けた一年間。

そこに誠実さは皆無。

我ながら皆無!

そして気づくのです。

僕は生まれてから一度も、誰かを愛したことはなかったと。

愛を知らないロンリーソルジャー。

資金凍結され、風俗にも行けない哀戦士。

激動の2014年(OSAKA candid 3)へと続く、ホップ・ステップのステップの一年間。

現実逃避を繰り返していたけれど、もう逃げられないと悟った年末。

古い歌のリリックみたく、見慣れない服を着た妻は、出て行きました。

何かが終わった瞬間でした。

これから離婚しようと思う男性必見!

逃げられない現実に立ち向かわない男が捉えた、大阪の街と得意のぼやき。

OSAKA candid 9、ハンカチを用意してご覧ください。

ハンカチはたぶん、使いません。

8と同時発売の9をまとめて編集しながら、人生とは波があるものだなと、改めて感じました。当たり前ですよね。ずっと凪の穏やかな生活なんてありませんし、かといって戦場みたいな限界の暮らしを、何年も送ることは不可能です(笑)

8と9は、2012年と翌13年の記録です。
どちらも怠惰に過ごした年でした。袋小路に追い込まれ、結論を出さなければならないのに、答えを先送りにした日々。子供の頃からの悪い癖なのですが、僕は決断が出来ないのです。ぎりぎりまで追い込まれないと行動できないタイプ。一番社長に向いてない人間です(笑)

ほんの一瞬の苦しさや痛みを乗り越えれば、自分自身が楽になれることを、経験として知っているのに、それでも決断できないのはなぜなのか?我ながら不思議です。

でもそれは、今になって振り返って言えることで、当事者としては、悩むしかないんですよね。僕の場合、悩むよりも逃避にベクトルが向くのですが。

2012年は仕事と写真撮影に逃げていました。思った以上に撮影していましたね。日常風景もポートレイトも。マイクロフォーサーズではなく、1D Mark4とか5D Mark3なんて、重たい一眼レフを鞄に入れて、毎日持ち歩いていた記憶があります。そういう意味では、まだ2012年は生産的でした。翌年からは、ひたすらゲームの世界に没頭してますから。

今、思い出したようにPlayStationVITA版の「フォトカノkiss」をやっていますが、この頃は初代のPlayStation Portable版をプレイしていました。それこそずっと。スーツ姿の通勤時や出張の飛行機の中でもやってました。周囲の視線なんか、まったく気にしない、完全に現実逃避です。

二年間に及ぶ現実逃避、しかも他人の人生をいくつも左右するような、重大な局面にいるのに、それに向き合わない。ある意味、一本筋が通っているなと、我ながら失笑してしまいます。

人生を馬鹿にしていると、人生に馬鹿にされる。
もしかしたら、既に誰かが吐いた言葉かもしれませんが、このことを実感した時期でした。僕は僕自身の人生を、卑下して、いい加減に過ごしたおかげで、こんな場所に辿り着いたんだなと。どうにかして、軌道修正をしたい。そんな風に悩んだ時期もありましたが、現在では、そんな迷走さえも肯定しています。

誰も僕を肯定しません。だったら自分自身が認めてあげないと、あまりに僕が気の毒です。もっとも、自分自身に同情している訳ではありません。やっちまったことは仕方ないし、過ぎたことを悔やんでも、なーんも生産性に欠けるのです。

後悔は死ぬ時だけで良いかなと思います。そういう気持ちで生きていたいなと。

So Sally can wait, she knows its too late
As were walking on by

Her soul slides away, but don’t look back in anger
I heard you say

この頃から、OASISの「Don’t Look Back In Anger」の歌詞が、違った気持ちで胸に刺さるようになりました。

身勝手な男の記録ですが、どうか見てやってください。

 

 

関連記事

  1. GR biyori / プロフェッショナル貧乏VSスパイラル貧乏…
  2. MahitoX / 死にたいね君が呟く冬布団
  3. イタニシモトキ / 恋、はじまりの頃。
  4. GR biyori / 鼻フックバリカタ伝説
  5. GR biyori / ヒンコンビニメシレシピ30
  6. GR biyori / 平成5年式テクノブレイク
  7. GR biyori / OSAKA candid 6 My av…
  8. GR biyori / OSAKA candid My aver…

おすすめ記事

kindle comic creatorで写真集を作る!

すべてのファイルが用意され、表紙も完成したら、いよいよkindle comic creatorで製作…

もっと写真集を見てほしい

おかげさまで Mamegohan Digital Publishing からは、6冊のKindle写…

紙の本はなくならない(今のところは……)

電子書籍にはない「触感」を 装幀家・菊地信義のドキュメンタリー映画公開AERA dot.に装幀家…

成人向けコンテンツに指定されちゃった!

まさかの成人向けコンテンツ指定先日発売した、All things must pss.3が、Ama…

次の売れ筋を考えてみる

5年近く電子書籍を制作販売してきました。まったくの手探り状態で4人の作家(自分を含むのでこ…

Kindle出版に必要な承諾書

本日よりイタニシモトキ氏の写真集「恋、はじまりの頃。」が発売されました。強気の500…

Kindle出版物のご紹介

GR biyori / OSAKA candid 21 最終章

OSAKA candidシリーズ、ついに完結です。2018年の1月18日に、Mamegohan D…

GR biyori / プロフェッショナル貧乏VSスパイラル貧乏

おっさんぽえむシリーズ第七弾、プロフェッショナル貧乏VSスパイラル貧乏発売しました!気がつ…

GR biyori / OSAKA candid 19,20

OSAKA candid 19,20発売しました!2018年にMamegohan Digi…

Mahitox / 盗撮と間違えられて夏の海

Mahitox俳句集第三弾「盗撮と間違えられて夏の海」発売しました!第一弾に比べて、なぜか…

PAGE TOP