MahitoXさん初の俳句集「ドブ臭い血を吐くあとにソーダ水」が発売になりました。
俳句というよりも廃苦、俳人というよりも廃人。そんな昭和センスのオッサンが詠んだ魂の俳句(嘘)
写真+俳句という手垢の付いた体裁だけど、侮ることなかれ!写真にモザイクはかかってないけど、俳句の文字にぼかしがかかった、前代未聞のパンク俳句、ここに爆誕!!
写真俳句というある意味手垢たっぷりの古臭いフォーマットで表現した処女句集です。常々写真俳句とかクソ食らえ!と思っている筆者が、敢えてこのスタイルで出版する矜持が目にする者のハートをガッチリとキャッチします。渾身の一冊という言葉が最も似合う作品と言えるでしょう。
氏のライフワークである日本的な自然主義文学を、写真と五七五の十七文字に凝縮した渾身の句集です。
独自解釈された日本の自然主義を写真で表現した時、そこに自主規制というモザイクは不可欠になるのですが、この作品では写真には吐血の一枚しかボカシの処理はされていません。しかし俳句集の根幹たる句の単語にはモザイク処理がなされています。
伏せ字ではなくモザイク。かつてこんな処理を行ったセンシティブな俳句集が存在したでしょうか?
処女句集だけに荒削りで稚拙な感は否めない本作ですが、今後の可能性を十二分に予感させる歌に溢れた一冊です。俳句がよく分からないといった方にもきっと受け入れられる句集といえるでしょう。なぜなら読んだMahitoX氏自身が、俳句をよく分かっていないのですから!
ドブ臭い血を吐くあとにソーダ水 廃句 (Mamegohan Digital Publishing) Kindle版