廻る学園と、先輩と僕 Simple Life
著者:九曜 イラスト:和遥キナ
Kindleというのは、ラノベと非常に相性が良いのです。
とくにカラーで表示される、スマホやタブレッドのアプリ版。
というワケで、かなり放置していたコンテンツ、「Kindle本レビュー」のコーナーを、ライトノベル中心に再開させます。
記念すべき(?)再開第一回目は、ラブコメ書かせたら堺市No.1の作家、九曜氏の「廻る学園と、先輩と僕 Simple Life」全3巻です。
僕こと千秋那智の通う聖嶺学園高校には、学園一の美少女と噂される先輩――片瀬司がいる。そんな学園のアイドルと、ある事件をきっかけに知り合った僕だったけど……それからふたりの距離はなぜか急接近!? からかわれているのかと訝しむ僕をよそに、先輩はいつもかわいく、そして楽しそうで――。憧れの先輩に振り回されっぱなしの那智くんと、実はもの凄くヤキモチ焼きの司先輩、そんなふたりが繰り広げるラブコメ&スクールライフ、はじまります。
上記が公式のあらすじです。
語り尽くせてない感じ満載ですけど、あらすじですから、まぁこんなもんでしょう。
この作品の魅力は、悪人が(それほど)出てこない点です。
主人公なっちを取り巻く人間が、基本的にみんな善人。
なので安心して読めるというのが、最大の魅力かもしれません。
安心して読めるというのは、決して褒め言葉ではないのかもしれませんが、悪意のない周囲の登場人物が、物語を優しい空気で包んでいると言えます。
1巻2巻はイチャラブな感じで進んでいきますが、3巻、物語は急展開を迎えます。
なっちの選択、それはともすれば思春期の少年が選ぶ、自己犠牲・自己陶酔なのかもしれませんが、不遇な環境を不幸とは思わず、まっすぐ育った彼だからこそできた選択かもしれません。
まっすぐな少年の、まっすぐな恋愛話。
このような物語が物語として成立するのは、これが希有な話の証拠なのかもしれませんが、願わくば世界に同じような恋愛が溢れてほしいものです。
殺伐とした毎日に疲れた方にオススメかもしれません(こんな乱暴なレビュー、他にはないぜ?)