初めて出会った時、彼女は15歳の高校一年生でした。
ちょうど初代のEOS Kissデジタルが発売された頃で、僕は写真を趣味として始めたばかりでした。
とにかく女の子の写真が撮りたいんだ!
まだ写真のことなど、何一つ分かっていない状況でしたが、そんな情熱だけはありました(笑)
素人オッサンの戯れ言を真面目に聞いてくれて、被写体になってくれた彼女には感謝しています。無駄に歳月が流れました。
たいして写真が巧くなった訳でもないのに、僕はプロカメラマンの真似事をするようになっていました。
オッサンがだらだらと生きていくには、一瞬の時間ですが、少女が大人になるには、十分すぎる時間でした。
成長した彼女を、再び撮らせてもらいました。
撮りながら、時間というのは、残酷だなと実感しました。
何の成長もない自分に比べて、彼女は立派な大人になっているのです。
無意味に過ごした自分の時間を、本当に後悔しました(笑)高校時代の彼女の写真は、かつてRop Libで出版した「最後の夏休み」「掌(たなごころ)」から抜粋しています。
最後の夏休み 公式復刻版、発売中です。
写真って何なんだろうと考えさせられた一冊です。
RopLibで発売した、「最後の夏休み」「掌(たなごころ)」の二冊を編集し、さらに数年後に撮影した、現在のポートレイトが入っています。
素朴な高校生だった彼女が、サナギが蝶になるように、美しい女性に成長したギャップを楽しんで貰えたらと思います。
スナップ写真を撮っている時には、写真は時間を止める装置ではなく、むしろ時間を永遠に生かす道具なんだと思っています。しかしポートレイト、それも歳月を経た、同じモデルの写真を並べた時には、ああ、写真は時間を止めてしまうんだと、再認識しました。
もしかしたら、心象風景をとらえた写真と、人物写真では、根本的に意味が違うのかもしれない。編集しながら、そう考えた次第です。
自分の中で、写真とは何かという答えは、まだ出ていません。でもこの写真集は、そのヒントになるのではないかと、自分では思っています。きれいなお姉さんのちょっとエロい写真、ぜひ、ダウンロードしてやってください。