本日ご紹介するのは「オタクに優しいギャルはいない!?」（原作･のりしろちゃん/漫画･魚住さかな）です。現在３巻まで出ていますが、１巻目はアンリミテッド対応で会員は無料で読むことができます。

あまり大きな声で好きと言えない“女児向けアニメ”が好きなオタク瀬尾卓也。ある日、クラスのギャル天音さんと伊地知さんに絡まれたのだが、何やら天音さんもオタクの匂いが…?「オタクに優しいギャル」たちとオタクくんのスクールカーストラブコメディ第1巻!!

こんなのキモヲタの妄想だろ！と一刀両断する方は多いと思うのですが、あくまで個人的、あくまで、あくまでも個人の体験＆感想というか、ぼくにとっての事実ですが、オタクに優しいギャルは存在します。

スクールカースト問題になりますが、オタクを馬鹿にするギャルがいる場所は、カーストという制度が問題なのではなく、学校そのものにその構図の原因はあると思います。どうしようもない奴らが偉そうに幅をきかせる学校にいるギャルと、マトモにそこそこ相対的な思考ができる生徒が集まっている学校では、同じギャルでもまったく別物なのです。

この物語に出てくるギャル二人は、もちろん後者です。

ぼくはギャルではないので、どうしてもオタク目線で作品を見てしまうのですが、アニメ作品を通じてギャルの生態を「実は自分とさして変わらない」とオタクくんが実感できるか否かが、この物語はもちろん、リアルなギャルや陽キャ女子との理解を深めるポイントになります。

物語を通じて二人のギャルとオタクくんは仲良くなっていきます。尻込みするオタクくんとは違って、物怖じしないギャル二人は、割と早い段階からオタクくんに好意を抱き始めます。これは決してキモヲタの妄想ではなく、現実だって有り得るお話です。

ギャルとか陽キャとか、そういう外面に惑わされず、内面を理解する姿勢を持てば、陰キャにもワンチャンあるのです。この物語は立ち位置の違う相手を相互に理解することで愛も平和も生まれるんだという、根本的な人間関係のテーマを根底に含んでいます。

オタクもギャルも、そうではない人も、ぜひ読んで欲しい一冊です。