年末に全株式譲渡で話題になった、Rakuten OverDriveによると、世界中の図書館での電子書籍の貸出件数が、2019年過去最高を記録したとのこと。
詳しい内容はForbes JAPANに掲載されている。
米国を中心に公立図書館での電子書籍の貸し出し件数の拡大が続いている。図書館向けの電子書籍配信ソリューションを提供する「Rakuten OverDrive」が1月8日、発表したデータによると、世界の図書館の電子書籍の貸し出し件数は2019年に過去最高を記録した。Forbes JAPAN
OverDrive社(本社:米国)は、世界70カ国で40,000館以上の公共図書館・学校図書館に電子図書館サービスを提供する起業だ。
図書館と電子書籍のつながりがイメージできない方も多いだろうが、アメリカでは90%の公立図書館で電子書籍が導入されている(日本は5%)
引用元のForbes JAPANを見ていただければ分かるが、ここでもオーディオブックの伸びが特に目立ったらしい。
電子書籍の導入に限らず、日本の図書館という存在は欧米に比べて実は遅れている。
日本の図書館は多くの人がイメージする通り、単に本を貸し出すだけの施設だ。
図書館司書の待遇が問題視されているのも、このような単なる「貸し出し施設」という認識の元に運営されているからだろう。
図書館が本来果たすべき機能については、こちらの小説に詳しく描かれているので、興味のある方は読んでいただきたい。
話題を戻すと、図書館の電子書籍化については、かなりの利便性があるだろう。
遠隔地の人や、たとえば体が不自由で図書館に通えない人も、気軽に利用できる。また貸し出しや返却なども容易だ。
面白いのは、電子書籍だからと、無限に借りられる訳ではない点だ。
通常の図書と同様に、貸し出し中のものは借りられない仕様になっている。
以前にも書いたが、紙の本と電子図書は、別物であると同時に、同じものだという認識で良いのではないだろうか?
電子書籍という名称を用いる結果、敷居が高くなっていることも事実だろう。
高齢者にとっては、実は紙の本よりも電子書籍の方が便利な場合は多々ある筈なのに、電子ということば、あるいはカタカナ用語ばかりのガジェット周辺が、利用を遠ざけているのではないだろうか?
電子書籍を普及させるには、この辺りの改善がまず必要なのだろう。