ニュースサイトTorrentFreakによると、オランダでは動画やゲームといったメディアの海賊版が減少傾向にある一方で、電子書籍の違法行為は増えているようだ。
要約すると、アムステルダム大学が、自国での著作権侵害について調査した結果、オランダでの2012年と2017年データ比較では、動画やゲーム、音楽などのメディアでは違法行為は減少傾向にあるが、電子書籍は逆に増加しているとのことだ。
研究者はサブスクリプションサービスの不足を違法行為の原因に挙げているが、確かにKindle Unlimited一つ取っても、すべての電子書籍が無料で読める訳ではなく、違法ダウンロードの一因と考えられるだろう。
またデジタル販売やストリーミングが長足の進歩を遂げている動画や音楽、あるいはゲームと違って、電子書籍のコンテンツ全体の進化はさほど見られない。
日本では違法サイト「漫画村」の運営が逮捕されたのは、記憶に新しい。漫画村へのアクセスは国内からが9割で、延べ約6億2千万人が閲覧したとされている。
日本の場合、一番の問題はモラルと創作物へのリスペクトが不足しているように思われる。その根本は「教育不足」だと言える。違法ダウンロードがまかり通れば、やがて産業としてのすべての「創作」が消えてしまうことに、ユーザーの想像がたどり着かないことが、何よりの問題なのだ。
ようやく違法アップロード・ダウンロードが犯罪だと啓蒙するCMなどが見られるようになり、学校教育でもネットリテラシーを扱うようになってきているが、さらなる公や家庭の教育は急務であり、同時に教える側の意識改革も必要だろう。親が違法ダウンロードした動画を見ている家庭の子どもが、作品や作家に対するリスペクトを持つとは思えない。
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