本日ご紹介するのは中山有香里著「疲れた人に夜食を届ける出前店」です。本作は癒しレシピシリーズ(全2巻)の2巻目になります。
『泣きたい夜の甘味処』で第9回料理レシピ本大賞コミック賞を受賞した著者の「癒しレシピシリーズ」第二弾。鮭茶漬け、ハムエッグ丼、ポトフ、マカロニグラタン、肉うどんなどたっぷり46のレシピつき。
とある町の片隅で、クマがはじめた夜食の出前店。従業員はサケ、ゴリラ、ネコ。
物語が進むにつれ、怖そうだけど心優しき魔王、かわいいけど粗暴な天使、引きこもりの吉村、甘いもの好きな部長などが加わって…。
いつも頑張っているあなたが、温かいごはんを食べてこの1週間を乗り越えられますように。
疲れた現代人たちが主人公のちょっぴりファンタジーなコミックとレシピが、見開きで掲載されています。出てくるメニューは特別なものではなく、表紙にあるような「おにぎり・ソーセージ・卵焼き・ナスのみそ汁」といったものです。
気取らない内容だけど、どれも手作りで、メンタル的・フィジカル的にやられた時に染み入るような、そんな献立をクマやゴリラが届けてくれます。たった1ページのコミックなのに、辛い毎日の中でこんな動物や魔王たちがいたら、救われるんだろうなと思わせてくれるストーリーです。
優しい絵柄と優しい物語に癒されたら、載っているレシピの気に入った料理を作ってみてください。疲れた現代人、それも一人暮らしの人たちに、きっと刺さる一冊です。