株式会社KADOKAWAと株式会社ブックウォーカーが、電子書籍総合ストアBOOK☆WALKERにて、今月3日から小説の定額制読み放題サービス「角川文庫・ラノベ読み放題」をスタートさせた。
対象書籍は10,000点以上とのことだが、チェックしたところ、さすがに最新刊は読み放題になってはいないようだ。
ただ月額780円という文庫本1冊程度の価格でラノベを読み放題というのは、中高生などのライトノベルユーザーにとっては非常に魅力的だろう。
ライトノベルだけではなく、森村誠一の「人間の証明」など、名作も網羅されているのも興味深い。
嫌らしい話だが、このサブスクリプション方式で作品が読まれた作者への対価がどれくらいになるのかが、気になるところだ。
Kindleのアンリミテッドであれば、作者は1ページあたり0.5円の収入を得ることになる。
「角川文庫・ラノベ読み放題」対象作品で、私の好きな作家の場合、1作品が約300ページ前後になる。Kindleと同じような価格設定なら、一冊レンタルされて、約150円という皮算用だ。
作家に対して「角川文庫・ラノベ読み放題」が美味しい企画かどうかは分からないが、企業側としては、既にある、しかも電子化されているデータを使って新しいコンテンツを開発できることは、かなりのメリットだと言えよう。
将来的に、たとえば月額5,000円程度かかっても良いので、新刊もすべて読み放題になるサービスが開始されれば、電子書籍の市場はさらに拡大するのではないだろうか?
その場合も、結局のところコンテンツの浮沈を握っているのは作家なので、作家の待遇を第一に考えてほしいものだ。
「角川文庫・ラノベ読み放題」の料金は月額760円(税抜)(※Apple ID決済は840円(税込))2020年1月31日(金)までの間は無料。