何でもかんでも児童ポルノ扱いされて、個人では10代や10代に見えてしまう20代の写真集が出せなくなって久しいです。センシティブなコスプレ写真集をばんばん販売していた某サービスも三次元からは距離を置いて、二次元のみの取り扱いになりました。
そうこうしているうちに二次元にしたってAIによる模写問題なんかも出てきて、ホント安定して出したいモノを出したり、買いたいモノを買える時間ってのは短いんだなぁと実感しております。
その結果、作る側も買う側も、ハズレのないジャンルというか内容ばかりに群がって、よっぽどアンテナを張っていない限り、エポックメーキングな作品には出会えない状況です。そもそもそんな画期的なジャンルが存在するのかも疑問なんですけど。
以前も「同じジャンルの作品が市場に過剰供給されること」で書いたのですが、似たような内容の作品ばかりが、次にこれを買って読め!ってとこに表示され続ける現状は、本当に食傷気味なんですよ。
ぼくの場合、Kindle本レビューでいくつか紹介したのと、そもそも嫌いではなかった関係で、ギャルものばかりが表示されます(笑)
ギャルものは「気弱でオタク気味の主人公男子が、住む世界が違うと思っていた陽キャのギャルに一方的に好かれて、だんだん理解を深める」という、見事に同じテンプレートで成り立っています。そのテンプレを踏まえた上で、何となく差別化する設定やエピソードが盛り込まれてる感じでしょうか?内容云々よりも絵柄でチョイスされるのかなって思ってます。
悪くはないんですよ。もちろん出てる作品すべてではないですが、確かに面白いのです。テンプレートをなぞっただけではなく、ギャルものと一括りにするのが申し訳ないような、きちんと世界観を作り込んだ作品もあります。
そして実際におじさんや陰キャがギャルと仲良くなることもあるんですよ。決して荒唐無稽な設定でもないのです。ソースはぼくですが通報はしなくて大丈夫な感じです(笑)そういう設定を細かにリアルに表現している作品を、ぼくは面白いと感じます。
出版流通させるなら、そこに働くのは出版社の事情です。作者の気持ちや思惑は、よほどの大御所じゃない限り無視されるでしょう。特に紙の本が売れなくなっているのは、この二十年に限定しても顕著です。電子書籍が爆伸びして売り上げはアップしていますが、紙媒体に限れば、思いっきり右肩下がりなんですよね。
なので出版社側も冒険ができないのは理解できます。大手になればなおさらでしょう。一つのヒットがあれば、そこに群がるしかない。プライドなんか捨てて、二匹目三匹目のどじょうを狙うしかないのです。おそらく出版社側の人間も忸怩たる思いだろうと想像はできますが、この構造を打破する手段はもうない気がします。紙媒体はどんどん衰退し、最終的にはコレクターズアイテムというか、贅沢品になるのでしょう。
だとすれば我々読者は、どうやって二匹目のどじょうや、一匹目のどじょうを見つければ良いのでしょうか?これは読者の努力はもちろんですが、電子書籍にシフトしていくなら、出版社側にももうちょっと頑張ってほしいかなと思います。
AmazonのKindle本は、一巻目がアンリミテッド対応だったり、一話丸々サンプルで読める作品多いんですけど、他のサービスでも同じような対応をお願いしたいんですよね。マンガは電子書籍で読む世界にシフトしているからこそ、電子書籍市場を広げて、本というのはタブレットで読むものだ!って常識を作り出して欲しいんです。
本屋で立ち読みして作品を選ぶという行為は、もう過去のものです。そういう状況で中身を見ずに表紙だけで購入を迫るのは、読者はもちろん、作者にとっても冒険でしかないでしょう。なので「立ち読み」が出来るシステムを入れて欲しいのです。「立ち読み」ですから、最初から数ページが読めるのではなく、出版社側の指定するページ数を、どこでも読者が読める感じで。
難しいことじゃないと思いますし、読者にはもちろん出版社にとってもメリットあると思うんですけどねぇ?