本日ご紹介するのはビーノ著「女子高生の無駄づかい(イエロー)」です。「女子高生の無駄づかい」はアニメやドラマにもなった人気作品なのですが、本作(後ろにカッコで色つき)は、作者による番外編というか同人作品です。
本当は本編を読んでほしいのですが、残念ながら無料ではないので、番外編をご紹介します。もし気に入ってもらえたら、コミックをご購入ください。そしてアニメとドラマ、両方ともご覧ください。primevideoで視聴できます。どちらも原作を大事にした作品で、とくにドラマは実写化といえばクソと言われる物が多い中で、非常に原作をリスペクトした作りになっており、ドラマ単体としてもオススメです。
「女子高生の無駄づかい」というタイトルは、女子高生という人生で最も輝く季節を無駄に消費している意味だと理解しています。埼玉の女子高に通う主人公たち、バカ、ヲタ、ロボの三人を中心に、クラスメイトのどうしようもない日常をおもしろおかしく描いています。
型破りな思考回路と行動力を持つ田中(バカ)、漫画家志望で腐っている菊池(ヲタ)、清楚系に見えるがバカと同等に型破りな天才少女(ロボ)の三人は幼なじみ。バカ、ヲタ、ロボというあだ名で呼び合える間柄です(ロボは悪意がないように見えますが「感情が死滅してるロボットみたい」だからという普通に悪口)そういうあだ名で呼び合えるのは、仲の良さ、関係性があってこそです。
あだ名で呼び合える仲の人間との出会いは、学生時代の特権です。社会人になってからだと、さすがに厳しいでしょう。登場する彼女たちは、きっとそれに気づいてはいないのですが、卒業して会えなくなっても、再会すればあだ名で呼び合えるような絆を感じます。
ばかばかしいストーリーが展開されながらも、どことなく眩しく思えるのは、そういう「絆」のようなものが根底にしっかり描かれているからでしょう。
高校時代の友人は一生の友だちだと言われますが、そんな使い古された言葉を再認識させてくれる作品です。番外編その4である(イエロー)には、バカと中二病のクラスメイト「ヤマイ」とのエピソードが収録されています。色んな意味でバカと対等に張り合えるヤマイもまた、魅力的な愛すべきキャラクターです(登場する彼女たちのあだ名は田中の「バカ」以外は、すべて田中が名付け親です)
高校生よりも、高校をもう卒業して、あの頃を懐かしく思う人たちに読んでほしい作品です。読後には高校時代の友だちに連絡を取りたくなるかもしれません(懐かしくなって電話したら、宗教かマルチの勧誘だと思われました……)