本日ご紹介するのは「放課後ていぼう日誌」小坂泰之著です。
高校進学に合わせて都会から九州に越して来たばかりの鶴木陽渚。彼女は持ち前の手先の器用さを生かし、手芸部で楽しい高校生活を送ろうと考えていた。しかし漁港の堤防でゆるい釣りをする「ていぼう部」部長の黒岩悠希と出会ったことで状況が一変。陽渚が海野高校の新入生だと知った黒岩の強引な勧誘で、勢いに流されるままに入部することになってしまう。生来、生き物が苦手で釣りの経験もない彼女にとって不本意だったが、黒岩や部員たちとの活動を経て、次第に釣りの楽しさと奥深さを実感していくことになる。
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本作は三年前にアニメ化されたのでご存知の方も多いのかもしれません。主に魚を釣る部活「ていぼう部」に所属する女子高生4人と、顧問教師が繰り広げる物語です。
女子高生が○○を始める系の作品ってたくさんあるのですが、JKどうしのほのぼのエピソードメインで、主題を掘り下げたモノは少ない気がします。しかしこの作品は実践的に描かれる釣りシーンや、タックルの細かい描写が特徴的です。
また初心者の陽渚の視点で物語を描くことで、同じく釣り初心者の読者の疑問を解決していく手法が採られています。
釣りは友達や家族と一緒に楽しむことができるアクティビティです。仲間と一緒に釣りに出かけることで、協力し合ったり、楽しい時間を共有できます。その根本的な楽しさと同時に「釣ったら食べる」をモットーとする部の方針は「いのちをいただくこと」にも言及しています。
最初は魚に触れることもできなかった陽渚ですが、自分で釣った魚を自分で締められるようになっていきます。もちろんそこは説教や宗教的な押しつけはなく、食べたら美味しいからという単純な理由で描かれていて、彼女たちは釣果を美味しそうに食べていきます。
本作はほんの数作のエピソードを見るだけで、釣りに行きたいなとか、釣りやってみたいなと思わせる作品です。現在Kindleでは二巻までがアンリミテッドで無料レンタルできます。アニメもプライムビデオで視聴可能です。あとまったくの余談ですが、黒岩部長と大野先輩が筆者の好みドストライクです(笑)