本日ご紹介するのは「メメメメメメメメメメンヘラぁ…」栗井茶著です。
高校生の彼女が18歳の誕生日におねだりしてきたプレゼントは「双子の赤ちゃん」でした。そんな僕の彼女ですが、やはりやべーやつなのでしょうか? ちなみに僕の誕生日に彼女がプレゼントしてくれたものは、まったくもって身に覚えのない「婚姻届受理証明書」でした──。
※本書は「プラスチック姉さん」5~9巻収録の“佐々木と山田の話”計14話分の再録に、描き下ろし8ページ&特別読み切り36ページを新たに追加した内容となっております。
アマゾンの紹介文にあるように、模型部なのに模型をほとんど作らない姉さんたちの日常を描いた「プラスチック姉さん」に登場した「佐々木唯」とその彼氏「山田純一」が主人公のスピンオフコメディです。
コメディなの?
この作品をコメディとして純粋に笑える人は幸福だなと思ったのが読後感でした。
山田純一は、小太り&メガネの冴えない大学1年生。通学時に最寄りのバス停で一緒になる美少女JK佐々木唯に一目惚れし、周囲から気持ち悪い、ストーカーだと止められたにも関わらず、勇気を持って告白します。
これが彼の失敗でした。
佐々木は告白を受け入れた瞬間から、山田に対して異常に執着するようになり、自宅に盗聴盗撮機器をしかけるのはもちろん、実家や家族を特定し、さらには婚姻届まで勝手に出してしまうような、完全にライン越えの愛情を示してきます。
暴力も日常茶飯事で、最初はコンパスだった武器も、スパナや手術用のメスなど凶悪になっていきます。
佐々木は美少女で巨乳の女子高生です。普通に考えて、冴えないアイドルオタクの大学生が恋人にできる存在ではありません。通常時の行動や発言に可愛いところも確かにあります。それを可愛いとか山田が羨ましいという感想を散見して、心底恐ろしくなったのと同時に、世の中の人はメンヘラと無縁の生活をしているんだなと羨ましくなりました。
佐々木唯はメンヘラというか、完全に電波系の地雷女なのです。
一番怖いのは、佐々木の中で、記憶が捏造されている点です。「告白された時にまだろくな面識なかったのに、私の住所とか知ってて押しかけてきたじゃん」「結婚しようってプロポーズしたときも勝手に一人で先走っちゃってさー」と、事実とは違うというか真逆の内容が、彼女にとっての真実になっています。
もしあなたがこういう相手と運悪く交際した場合、「証拠」を残しておくことをオススメします。やられたことの事実をきちんと残しておきましょう。将来裁判とか調停になった時、あることないこと言われてそれをひっくり返すのには、とにもかくにも証拠となるものが必要になってきます。
これ、本当にホラーです。
現状3巻まで出てますが、山田は第二のストーカーと、バイト先のヤリマン姉妹(彼女たちが一番マトモ)に挟まれて苦悩してます。最適解はヤリマン姉妹と付き合うことですが、きっとこの選択はしないのでしょうね。
1巻がアンリミテッド枠で無料です。電波系メンヘラ女の存在を笑い飛ばせる人だけにオススメします。