本日ご紹介するのは「闘飯」土山しげる著です。
大阪の下町で生まれ育った飯盛留吉。ある理由から借金を背負い、逃げ回る生活を送っていた彼は、ある日偶然、路地裏の家屋に迷い込み、“闘飯”の野試合を目撃する。一つの膳を挟み、相対する闘飯師の二人。手にするのは、空の丼と箸一膳。勝負は「いかにお題の飯を表現する」か! ギャラリーが集まる異様な空気の中、闘飯師の丼の中に無いはずの鰻丼が“見えた”留吉。この一瞬の体験が彼の人生を変えることに……。
数ページ見てあまりにも荒唐無稽な設定に思わず笑ってしまいました(笑)何やコレ?ギャグマンガ!?と思いつつ読み進めると、なかかなシリアスな展開で引き込まれました。
「闘飯」というのはカラの食器を前に闘飯師が対峙し、エア食事をする競技です。どちらが本当に食べているように見えるかを競うものです。将棋や囲碁に近い感覚でしょうか?この世界ではかなりメジャーなゲームのようで、有段者の対局はテレビ中継までされています(笑)
リアルな食べ物が出て来ないグルメマンガというか、実際には食べないフードバトル、闘飯はエアギターに通じるものがあります。
本流ではない野良試合から、三段まで上り詰めていく留吉ですが、Kindleで公開されている一巻では、まだまだ駆け出しのひよっこです。浪花特有のアンダーグラウンドな世界から、日の当たる場所へ駆け上がるサクセスストーリーなのでしょう。
10年ほど前の作品ですし、続きが非常に気になるのですが、残念ながら現状1巻しか電子書籍化はされていません。一日も早く続きが見たいものです。