先日GYAO!が動画サービスを2023年3月末をもって終了すると発表した。
終了と同時に購入済みの商品も視聴不可能になるという。
GYAO!といえば動画サービスの老舗的存在だっただけに驚いたが、ユーザーの立場から見た場合、AmazonのプライムビデオやNetflixに比べて精彩を欠く印象があったのも事実だ(あくまで個人の感想です)
このニュースで注目したいのがサービスの終了と同時に「購入済みの商品」も視聴不可になるという点だ。
筆者は動画のサブスクリプションでは、プライムビデオ、Netflix、dアニメストア、バンダイチャンネルと契約している。基本的に純粋にサブスクレンタルを楽しんでいるのだが、プライムビデオだけはアニメ映画を中心に50本近い作品を購入している。50本といえばトータルで30万円を超える金額だ(数年間に渡る結果なので、特に買いすぎている印象はない)
今回のGYAO!の一件は、それらが一気に見えなくなるリスクを、改めて浮き彫りにした。
鈴木みそ氏の名作「ナナのリテラシー」に、デジタル作品が一瞬で無になることへの警鐘は描かれている。「ナナのリテラシー」の件のシーンは電子出版の話だが、動画も電子出版も基本は同じだといえる。
Mamegohan Digital Publishingは電子書籍、それもAmazonのKindleに特化した、言い換えればKindleありきの存在なので、その危機感は一気に高まった。Kindleがサービスを終了すれば、今まで出版した書籍すべてが無に帰するのだ。高まったというか、改めて実感したというのが正確だろうか?
ただユーザー目線ではサービス終了は致命的な問題だが、出版する側に立てば、実はそれほど問題ではないのも事実だ。
元のデータさえ残っていれば、次のプラットホームへ移住が可能なのだ(もちろんKindleに匹敵するメディアがあれば、の話だが)ナナのリテラシーにも「もしAmazonが潰れてしまっても、先生のみそ吉サーバーにマンガのデータを置いておけばいいんですよ」という台詞がある。
当分はKindleが潰れずというか、今以上に発展することを願ってやまないが、電子書籍や動画を購入するということは、手軽さを対価に「失う」リスクも同時に手にすることだと、GYAO!の一件は教えてくれた気がする。
やはり保存という点で一番良いのは紙の本であり実物の円盤なのだが、時代もニーズもオンライン購入になりつつある。だからこそ、思った時に売り切れなしで手に入る便利さの裏にある根本的な危険を、我々ユーザーは肝に銘じる必要があるだろう。
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