「貧乏メシ~貧乏と云ふは死ぬ事と見つけたり~」発売中です!
ぼやきと飯のハイブリッド写真集「おっさん飯シリーズ」第四弾、誰にも求められていないのに堂々の完成!
夢織という名の無職生活も日常になり、かつて体験したことのない規格外の貧乏生活が続く毎日。限りある貯蓄で生き延びるために、まず食費を徹底的に削るのだが、削り過ぎてどうにもならなくなるおっさん。
それではダメだと周囲に説教を食らって、数年ぶりに自炊をスタートさせた。しかしおっさんは食器や鍋釜の類は一切持っていなかった。食器どころかレンジや炊飯器はもちろん、冷蔵庫すらない暮らしで、いったいナニを作れるというのか!?
見かねた知人が包丁をくれ、呆れた母親が冷蔵庫を買ってくれる。百均で揃えた食器と貧弱な装備で、徐々に拙い料理を始めるが、飯を作る行為そのものが、おっさんのメンタルをゴリゴリと削る現実に気づいてしまう。
おっさんはなぜ料理をすると病みそうになるのか?そしてマイナス思考を払拭できるのか?解決策を模索しつつ、それでも腹が減る現実に立ち向かうおっさんの記録。
ド底辺のイキザマと食事という名の餌。涙なくしては見られないとまでは言わないけれど、あなたが日々口にする食事は、とても幸福だと啓蒙する一冊ではある。
働かずに食うメシとはこういうモノだ!飽食の時代に一石を投じるといえば言い過ぎだけれど、こんなものを食って生きてる人間が存在するのも、この国の現実なのです!(社会派っぽいけど、全然そんなことないぜ?)
おっさん飯シリーズですが、これまでの三冊と違うのは、ほぼ自炊写真という点です。コロナ禍、緊急事態宣言による外出自粛、お店の営業自粛、無職化による収入の自粛と、三自粛の結果、家で餌を食らうことを余儀なくされたおっさんの記録となっています。
実はおっさん、料理ができる人間です。男の手料理!的なガサツな内容ではなく、ちゃんとソレなりの学校に通った結果です。芸術大学卒というアホみたいな学歴では食いっぱぐれると危惧して、調理師学校にもWスクールで通っていたのですよ。
しかしもう何年も包丁を握っていない上に、調理器具や食器ゼロという現実に苦戦を強いられます。ただでさえ惨めなおっさんの独り飯を、いかに惨めに見せないよう演出するのか。食べる内容よりもまずそこに苦心する記録。日々独り孤独にメシを食らうおっさん仲間はもちろんですが、独り暮らしを始めたばかりのお料理ビギナーにもヒントになる内容になっているかもしれません。なってないかもしれません。
食べるということは生きる基本です。しかしご存知の通り、そもそも生きる気力が希薄なおっさんは、料理をすることでメンタル的にどんどん病んでいきます。そんなおっさんがいかに「食」に対峙するのか。そしてなぜおっさんは料理をすると病むのか。そんな記録本。世にも珍しく不思議なグルメ本となっております。
グルメ!?