Kindle製作日記

出版する側から見た、アダルト本の魅力

Kindleでアダルト本を出版しようとすると、Amazonさんに「ホンマにお前が撮ったんか!? 証拠出さんかい!」と言われます。言われるがままの書類を提出しても、「足りへんのじゃ、ホンマのホンマにお前の写真か?モデルの同意あるんか?勝手に撮って売ったり、パクった画像で儲けよう思とんちゃうんか?」と執拗に迫ってきます(もっと穏やかにですけど)

これって、おそらく訴訟のリスク回避だと思います。著作権の侵害云々よりも、モノがモノだけに、リベンジポルノなどに荷担したと思われるのを避けているのでしょう。会社組織としてアダルト本を出すのは何ら問題はないようですが、個人だと相当厳しいのは、Amazonのリスクマネジメントの結果だと推測します。

外国人の仕業でしょうが、アイドルなんかの、明らかに著作権を侵害した写真集を平気で売っているのに、おかしなものですね。でもここで楯突いても仕方ありません。Amazonさんは正義なのです。

18禁ではないファイルの審査は、相当甘いのが現状です。先に書いたように、稚拙な日本語タイトルをつけた、雑誌をスキャンしただけのタレント写真集が、格安で売られていますし、我々Mamegohan Digital Publishingが出版している本でも、ポートレイトは一切肖像権著作権の確認はナシですし、女子高生のパンチラだってスルーです。

それが作品として必要な写真で、実際のところ本当に女子高生なのか単に制服を着ているだけなのかは、撮った人間にしか分からないとはいえ、制服を着た女の子がパンツ見せたり、セックスを連想させる画像が入っていても、アダルト本の申請をしない限り、何のチェックもないのです。ウチのAll things must pass.に限ったことではなく、過激な一般書も存在するのです。ある意味めちゃくちゃです(笑)

ところで、出版する側として、アダルト本の魅力は何なのでしょうか。考え得る理由は、二つあると思います。

まず一つ目。18歳未満閲覧禁止にすることで、ある程度自由な編集が可能になることです。別にエロ本でなくても良いのです。物語性のある写真集を作りたいと思って、そこにヌードが不可欠だと作家が思った時に、一般書では制約がありすぎて、自分の世界を表現できないこともあるでしょう。そういう「枷」を、18禁というセグメントは取り払ってくれるのです。

次にこれが最も大きな理由でしょうが、アダルト指定をした方が、売り上げがあがると予測できるのです。Mamegohan Digital Publishingでは、一冊もアダルト写真集を出版できてないので、あくまで推測なんですが、いちユーザーとしての行動を考えた時、たとえば大好きな着エロの写真集が見たければ、一般書である「アート・建築・デザイン」の「写真」ではなく、アダルトのカテゴリの「写真集」で探すのです。一般書にも着エロはあります。でも風景写真やアイドル写真集にまじって、たまーに出てくる着エロ写真集よりは、並み居るエロと肩を並べて存在を主張する写真集の方が、発見率が高いのです。

アダルト本、まぁぶっちゃけオカズを買いに来た人は、一般書で検索はしません。もちろん上級者というかマニアは違うのでしょうが、即物的な衝動で写真集を選びに来た読者は、まっしぐらにアダルトカテゴリを目指すと考えて、差し支えないでしょう。

つまり、同じような着エロ写真集だったとしても、「アート・建築・デザイン」ではなく「アダルト」の方が売れるのです。実際、これ18禁にする必要あるの?って写真集も、アダルトで売られています。それは「アダルトの方が売れるから」という理由だけだと推測しています。

Mamegohan Digital Publishingでは、アダルト写真集を出したい者と、別にいいやと考える者がいます。コンセンサスはとれていません。正直、どっちでもいいやという感じです。アダルト写真集を出したいなら、別のプラットフォームだってあるのです。どうしてもKindleにこだわるのなら、完璧に書類を揃えて、再三の審査を突破すれば良いでしょう。おそらく一度出版し、実績を作れば、あとは惰性で出せるような気がしています。実際、個人でアダルトファイルを出している方も、少数ですが存在しています。そのためには、18禁本を出したいカメラマンに、必要書類の準備を徹底してもらうしかありません。

それよりも可能性があるのは、一般書の審査の甘さを利用することです。別にイリーガルに本を出すという意味ではありません。性的な描写があったとしても、18禁で販売はしたくない写真集は、実はそのまま出せるのではないかという点です。

たぶん、乳首やヘアが写っていたらアウトでしょう。逆に言えば、写ってなければ何でもアリなんじゃないかと思うのです。セックスを撮影した写真でも、表情だけとか、見えちゃダメな部分は、一切写ってない写真なら、スルーされる可能性が高い気がします。ここで重要なのは、単に性描写を載せることではなく、必要なシーンとして織り込むことを、邪魔させないという意味です。文学作品にだって、性描写はつきものです。だからと言って、純文学が18禁になってはいません。性描写はメインではなく、必要な場面なのです。

過激な描写があるから、アダルト枠で出版しようと思うから、面倒になるのでしょう。あくまで自己責任ですが、それが必要で、かつ写っちゃダメなものが写ってないのなら、一般書として出版するのが、正解かもしれません。

 

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